形見分けをする
葬儀の後、ある程度の期間ののち、故人が生前愛用していた
衣類や調度品を親族や親しい友人に分ける形見分けが行われます。
形見分けはもともと片身分けとも言われ、遺品を通して故人を偲び、
思い出を共有するために行います。
形見分けの際は、故人との大切な思い出をかけがえのないものとして
いつまでも心に留めておけるよう、トラブルは避けたいものです。
形見分けを行う時期はそれぞれの宗派により異なります。
仏式では四十九日のあとに、神式では三十日祭、五十日祭のあとに行うとされています。
キリスト教では特に形見分けの習慣はありませんが、日本では行われることも多く、
行う際は一ヶ月命日に行います。
形見分けを行う際には以下のことに気をつけましょう。
① 高価な品物は贈与税がかかる場合があることに注意する。
贈った後に贈与税がかかると余計な迷惑がかかることになるので十分注意しましょう。
②財産分与を終えた後の品物で行う。
故人の遺品は全て相続人の共有物です。遺産分割前に勝手に形見分けをしてしまうと
相続人間でのトラブルになりかねません。必ず財産分与後の遺品で行うようにしましょう。
③目上の人には贈らない
昔は目上の人に形見分けをすることは失礼にあたるとされていたため贈らない風潮があります。
近年は親しい人には目上の方でも行う場合がありますが、贈る際は、相手がしきたりを重んじる方か
事前にきちんと確認を取るようにしましょう。
④包装はしない
形見分けはプレゼントではないため包装はしません。
必要な場合は、布や半紙などで簡単に包む程度にしましょう。
⑤受け取る側の気持ちになって
無理強いはせず、受け取る相手側が故人を偲ぶのにちょうどよい品を選びましょう。
近年では、故人のご遺骨から作られたメモリアルダイヤモンドを
家族で形見として贈ることもよく行われています。
故人の遺品の宝石や時計などと合わせて、いつでも身につけられるものにされる方もいらっしゃいます。
また、ご遺骨からだけではなく、故人の遺品からメモリアルダイヤモンドを作ることもできるため
永遠の輝きをもつ新しい形で形見を残すこともできます。