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大きく変わる「お墓」のイメージ

2018年9月3日

みなさんは「お墓」というと、どんなイメージがありますか。

 

伝統的な「和型」のお墓は、仏舎利塔を真似たもので、江戸時代に一般化したといわれます。

下から柴台(下台)、中台、上台と3段に石を積み重ね、一番上に竿石と呼ばれる長方形の石を載せます。

 

そして、竿石の正面には、「先祖代々の墓」とか「〇〇家之墓」「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などの文字を刻みます。

 

これに対し、戦後になって登場してきたのが、横型の石を用いた「洋型」のお墓です。横に広いだけでなく、前面の上部に傾斜のついたものなどバリエーションもあります。

 

さらに、1990年代頃から目立つようになってきたのが、個性的な形とオリジナルな文字を刻んだ「デザイン墓」です。

 

全国約300社の石材店が集まる「一般社団法人 全国優良石材店の会」(全優石)が先ごろ発表した「2018年お墓購入者アンケート調査」によると、「和型」のお墓は減少傾向が続いており、いまや全体の約3分の1(35.2%)にとどまります。

 

また、「洋型」は半分近く(43.7%)を占めますが、最近は頭打ち傾向のようです。

 

これらに対し、近年、急速に増えているのが「デザイン墓」で、例年の12~13%台から今回は16.2%に大きく伸びました。

 

全優石では毎年、デザイン墓のコンテストも行っており、2018年で24回を数えます。

そこで入賞したお墓を見ていると、「こんなお墓もあるんだ!」と驚くこと請け合いです。

 

全優石「2018年第24回デザインコンテスト」で入賞したお墓の例

 

※http://www.zenyuseki.or.jp/about/grave_design_contest/prize_winners_24.html

 

「デザイン墓」が増えている背景には、お墓の個人化の流れがあるといわれます。

従来の伝統的なお墓は「家の墓」であり、家を継いだ家族の遺骨を納めるのが前提になっています。

それに対して「デザイン墓」は、若くして亡くなった家族などの生きた証や思い出のモニュメントとしてつくられるケースが多いとされます。

いま紹介した全優石のコンテストのページでも、故人のエピソードが詳しく紹介されており、「なぜこういうお墓にしたのか」というこだわりがよく分かります。

先祖を祀るとか「家」を守っていくといった意識は、そこにはあまり見られません。

むしろ、純粋に故人を偲ぶことが重視されているのです。

あるいは、「その人らしい墓」へのこだわりといってもいいでしょうか。

これからのお墓のあり方を考える上で、こうした「デザイン墓」の人気の高まりはひとつのヒントを与えてくれているように思います。

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