形見分けとは?
亡くなった人を悼(いた)むことは、人類の誕生以来、昔からいろいろな形で見られます。
日本古来の「形見分け」もそのひとつです。
「形見分け」とは、亡くなった人が生前、身近に置いて使っていたり、大事にしていた品物を家族や友人などで分け、 その品物を通して故人への思いを大切に守っていこうとすることです。
死者の魂が遺品に宿る、という考えもその根底にはあると思われます。
例えば平安時代の歴史物語である「栄花物語」に、「あはれなる御形見の衣は」とあります。
現代ほど豊かではなかった昔、衣類はそう簡単に手に入るものではなく、貴重な財産としても、形見分けがなされたようです。
地方によって「そでわけ」「すそわけ」と呼ぶのは、その名残でしょう。
現在、形見分けの品物としては、衣類のほか時計、バッグ、家具、小物などがあります。
壊れたり汚れたりしているものは避け、衣類はクリーニングに出すなど、きれいにしてから渡すのがマナーとされます。
タイミングは特に決まっているわけではありませんが、一般的に仏教では四十九日の法要の後、神式では五十日祭や三十日祭などを目安とします。
キリスト教では特に形見分けという習慣はありませんが、日本では1ヵ月命日である追悼ミサに行うようです。
なお、形見の品は“のし”をかけたりしないで、簡単に包むか裸のままで渡すのがしきたりとされます。お返しもしません。
形見分けを行う際には注意点もあります。
例えば、高価な遺品を形見分けする場合は、贈与税がかかる可能性があります。贈与税は、贈与を受けた人ごとに、1年間に贈与を受けた財産の合計が110万円を超えるとかかります。形見分けの品物も贈与を受けた財産に含まれます。
また、相続人が複数いる場合、形見の品物は遺産に含まれ、原則として相続人全員の共有物です。形見分けは相続人全員の合意があるか、遺産分割が完了してからでないと、相続人間でトラブルとなる可能性もないわけではありません。
とはいえ、「形見分け」の基本は、亡くなった人への思い近しい人たちが大切にしていこうということです。
「形見分け」は今後も引き継いでいきたい、日本の伝統といえるでしょう。
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