「散骨」のスタイル(3)
前回まで「散骨」の様々なスタイルを見てきましたが、その背景にあるのはお墓に対する意識の変化です。
日本では「亡くなったら家の墓に入る」ということが一般的になっていましたが、その考え方そのものが揺らぎ始めたからこそ、「散骨」が注目されているのでしょう。
株式会社冠婚葬祭総合研究所の「葬祭等に関する意識調査」(2017年)では、「お墓に対する意識」について次のような結果が出ています。
お墓に入る | 51.3% | うち、墓あり | 46.1% |
うち、墓なし(墓を持ちたい) | 5.3% | ||
お墓に入らない | 22.2% | うち、墓あり | 5.8% |
うち、墓なし(墓は持たない) | 16.4% | ||
分からない | 26.5% | うち、墓あり | 12.8% |
うち、墓なし | 13.7% |
※n=1600
「お墓があって、お墓に入る」という人はすでに46.1%と全体の半数を割り込んでおり、また「お墓があるけど、お墓には入らない」(5.8%)、「お墓があるけど、お墓に入るかどうかは分からない」(12.8%)という人は合計で2割近くになります。
さらに、「お墓に入らない」「分からない」と答えた人のうち、自分自身の遺骨に関して「散骨など形がのこらなくてもいい」と答えた人は41.6%、「ややそう思う」も含めると74.1%にもなります。
遺骨に関する考えは、葬儀の形とも密接につながっています。
一般社団法人 日本消費者協会の第11回「葬儀についてのアンケート調査」(2016年)では、「自分の葬儀に望む形式」について、次のような結果が出ています。
費用をかけないでほしい | 54.9% |
家族だけで送ってほしい | 45.1% |
子どもや家族、地域など周囲の人がすべてやってくれると思うので任せたい | 22.9% |
地域のしきたり、家族のしきたりがあるのでそれに従ってほしい | 12.1% |
宗教行事はしてほしくない | 11.4% |
自分の葬儀をみられるわけではないのでどうでもよい | 10.7% |
祭壇の飾りや式の進行などすべて自分で決めておきたい | 5.9% |
人生最後のセレモニーにふさわしく、立派な葬儀にしてほしい | 1.7% |
その他 | 11.3% |
※n=1875(複数回答)
「費用をかけないでほしい」(54.9%)、「家族だけで送ってほしい」(45.1%)が圧倒的に多く、逆に「祭壇の飾りや式の進行などすべて自分で決めておきたい」は5.9%、「人生最後のセレモニーにふさわしく、立派な葬儀にしてほしい」にいたっては1.7%に過ぎません。
遺骨や葬儀について、日本人の考え方はいま、大きく変わろうとしています。
「これまではそうだった」という前例踏襲にとらわれることなく、一人一人が自分の生き方の総仕上げとしてどうあるべきか、考えるべき時代になったではないかと思います。
ご遺骨、遺灰からつくるメモリアルダイヤモンドについて
くわしくはライフジェムジャパンのホームページでご確認ください。