どうする所有者不明の土地② 新しい法律で地域に役立つ一定の利用が可能に
近年、全国で問題になっているのが所有者不明の土地です。地方の農地や山林を中心に、その面積はすでに九州の広さを超えるという推計もあります。
国ではこれに対し、様々な対策を取り始めています。今回は、所有不明者の土地の利用を可能にする新しい法律について見ていきます。
平成30年(2018年)11月に一部が施行され、令和元年(2019年)6月から全面施行されたのが「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」(所有者不明土地法)です。
この法律は、所有者不明土地の利用の円滑化及び土地所有者の効果的な探索を図ることを目的とし、2つのケースにおいて所有者不明の土地の利用が可能になります。
ひとつは、「地域福利増進事業」で、所有者が不明の土地を地域住民等の福祉や利便の増進のために利用しようとするときは、都道府県知事に対し、特定所有者不明土地の使用についての裁定を申請することができます。申請は、民間企業やNPO、自治会、町内会など誰でも行うことができます。
もうひとつは、「土地収用法の特例」です。土地収用法の事業の認定を受けた収用適格事業について、そのエリア内にある所有者不明の土地を収用したり使用しようとするとき、都道府県知事に対し、同じく裁定を申請することができます。都市計画法の認可等を受けた都市計画事業についても同様です。
国(国土交通省)では今後、この制度の活用を進めるため、地方公共団体や先進的なモデル事業への支援を行っていくとしています。
また、国全体での土地の利用・管理についてさらに検討を深め、2020年までに「土地基本法」を改正するとともに、「新たな総合的土地政策」を提示すべく、土地政策の再構築に向けた検討を進めていくとしています。
所有者不明の土地問題をきっかけとして、日本の土地制度はこれから大きな転換期を迎えようとしているようです。
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