日本人の死生観を考える(1)
この世に生まれてきた人は皆、いつか死を迎えます。 年を重ねるとともに、自分は人生の最期をどこでどのような形で迎えるのか、ふと考えたりします。生と死への向き合い方や考え方、価値観は「死生観」と呼ばれたりします。時代により社会により「死生観」は変化を続け、また一人ひとりによっても異なるでしょう。様々なデータや記録から、日本人の死生観を考えてみます。
- 最期の場所は「自宅」を希望する人が多数
日本では戦後間もない頃まで、8割以上の人は「自宅」で亡くなり、病院や診療所などで亡くなる人は1割程度に過ぎませんでした。
しかし、その後この割合はどんどん変わっていき、1970年代半ばには逆転。いまや7割以上の人が病院や診療所で亡くなり、自宅が1割強にまで減っています。また、このグラフにはありませんが、近年増えているのが介護施設などで亡くなるケースで、1割に迫っています。
諸外国と比べても、日本では医療機関において死亡する割合が高いのが特徴です。
図表 自宅と医療機関における死亡割合の推移
出所::「人口動態統計」(厚生労働省大臣官房統計情報部)
※https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/08/s0810-3g.html
一方、60歳以上の人に、万一治る見込みがない病気になった場合、最期を迎えたい場所はどこかを聞いた調査によると、「自宅」と答える人が全体の半数くらいでした。病院や介護施設という人は3割ほどに過ぎません。
男性と女性でも差があり、「自宅」を希望するのは男性の59.2%に対し、女性は43.8%と10ポイント以上低くなっています。ただし、男性は年齢による差はあまり見られませんが、女性は年齢が高くなるほど「自宅」とする割合が増える傾向にあります。
昔は「自宅」で亡くなるのが当たり前。今は「病院」や「施設」で亡くなる割合が増えたけれど、最期は住み慣れた「自宅」で迎えたい。
そんな日本人の意識が垣間見えてきます。
図表 完治が見込めない病気の場合に迎えたい最期の場所(択一回答)
出所:内閣府「令和元年版高齢社会白書」
※https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/html/zenbun/s1_3_1_4.html
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