日本人の死生観を考える(2)
様々なデータや記録から、日本人の死生観を考えてみるシリーズ。前回は、自分が最期を迎えたい場所を見ましたが、今回は理想の死に方です。
- 理想の死に方は「ある日、ポックリ」
「理想の死に方」といっても、普通、自分で死に方が選べるものではありません。しかし、「こんな死に方はいやだな」とか「自分ならこういうふうに死んでいきたい」といった漠然としたイメージは誰しもあるのではないでしょうか。
ホスピス財団(日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)が2012年に行った「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査」という調査があります。
ホスピス財団は、日本におけるホスピス運動の草分けである柏木哲夫氏(淀川キリスト教病院理事長、大阪大学名誉教授)が理事長を務め、ホスピス・緩和ケアの質的向上のための調査・研究などを行っている団体です。
この調査では全国1000名の男女を対象に、「理想の死に方」を「ある日、心臓病などで突然死ぬ」または「病気などで徐々に弱って死ぬ」のどちらか選択してもらいました。その結果、約7割の人が「ある日、心臓病などで突然死ぬ」ことを選んだといいます。また、その割合は、年齢が高くなるほど多くなっています。
図表 理想の死に方(性別、年齢階層別)
出所:日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年』
※https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/ishikichousa-2018.pdf
この調査では、それぞれを選んだ理由についても聞いています。
「ある日、心臓病などで突然死ぬ」ほうを選んだ人の理由で多いのは、「苦しみたくないから」と「家族に迷惑をかけたくないから」の2つが6割を超え、「寝たきりなら生きていても仕方ないから」が4割で続きました。
一方、「病気などで徐々に弱って死ぬ」ほうを選んだ人の理由では、「死の心づもりをしたいから」が6割を超えており、次に多いのは「少しでも長生きをしたいから」で25%ほどです。
両者を比べると、「死」というものに対して、苦痛をともなったり家族に迷惑をかけるのではないかという不安が強い人は前者を選びがちなようです。
それに対して、死と向かい合いながら自分の生を全うしたいというポジティブな考えの人は、どちらかというと後者を選ぶように思います。
さて、みなさんはどちらでしょうか。
図表 理想の死に方の理由(複数回答)
出所:日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年』
※https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/ishikichousa-2018.pdf
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