日本人の死生観を考える(3)
様々なデータや記録から、日本人の死生観を考えてみるシリーズ。今回は、日本の「生」と「死」の現状と今後を確認してみます。
- 年間86万人が生まれ138万人が亡くなる日本
「生」とは生まれてくること。「死」とは亡くなっていくこと。とすれば、出生数と死亡数は、それぞれの社会の死生観を規定する最も基本となる事実といえるでしょう。
厚生労働省が今年6月5日発表した最新の人口動態統計によれば、2019年に生まれた子どもの数(出生数)は86万5234人で、過去最少でした。一方、死亡者数は138万1098人で、こちらは戦後最多を更新したそうです。死亡者数から出生数を引いた自然減は51万5864人となり、こちらも過去最大でした。
都道府県で一番人口が少ない鳥取県の人口が56万人ほどですので、ほぼ鳥取県ひとつ分の人口が減ったことになります。
また、1人の女性が生涯に生む子どもの数を「合計特殊出生率」といいますが、2019年にこれが1.36となり前年から0.06ポイント下がりました。4年連続の低下です。
今後の出生数がどうなるかについては、国立社会保障・人口問題研究所が推計しています(『日本の将来推計人口 平成29年推計』)。
この推計では、合計特殊出生率がどうなるかを「高位」「中位」「低位」の3パターンに分けて計算しており、「中位」では2019年の出生率を1.42としていたので、それをやや下回っていることになります。
このままだといずれ日本の出生数は、50万人を切る可能性が出てくるのではないでしょうか。
図表 出生数と合計特殊出生率の推移と将来推計
出所:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口 平成29年推計』
※http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_Report1.pdf(25P)
一方、日本人の平均寿命はどんどん延びていますが、死亡数は今後、増加が続きます。同じく国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2039年に167万人でピークを迎えるとしています。
出生数との差は現在、50万人ほどですが、それが倍の100万人近くになる計算です。
図表 死亡数と死亡率の推移と将来推計
出所:平成28年版厚生労働白書(将来推計は国立社会保障・人口問題研究所の予測)
※https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/backdata/01-01-01-11.html
これからの日本人の「死生観」が、このような状況の中でどのように変化していくのか、あるいは変わらないままなのか。
様々な観点から考えていきたいと思います。
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