仏壇物語(6)仏壇の役割と未来
日本では一般に、亡くなった人を弔うためにお墓とともに仏壇が利用されます。
お墓も仏壇も祭祀(さいし)財産とされますが、最近は少子高齢化の影響などから「墓じまい」とともに仏壇の処分が増えています。
今回は、仏壇の役割と未来について考えてみます。
ここまで見てきたように、歴史とともに仏壇の意義や形、その取扱いは変化を続けてきました。
現在、常識とされている仏壇のあり方も今後、変わっていくことは間違いないでしょう。
もう一度、整理すると、「仏壇」は本来、仏像を安置する壇のことです。
日本では仏教が伝来した6世紀頃、寺院の建屋内に石や土、あるいは木の壇を設けて仏像を安置したのが始まりです。
中世以降、寺院の内部が土間から板敷になるにつれて木壇が中心となり、特に須弥山をかたどった須弥壇形式の木製仏壇が多くなったとされます。
中世以降にはまた、寺院とは別に、貴族や武士などの有力者が自宅の敷地内に持仏堂や仏間をつくり、一族繁栄の祈願や祖先供養を行うようになりました。
一般庶民の間にお墓とともに仏壇が広がったのは、江戸時代に「寺請制度」が導入され、家ごとに菩提寺を決め、その檀家になるよう義務付けられたからとされます。
もともと信仰の対象として仏を祀ったものが、次第に一族繁栄の祈りや先祖供養と混じり合って、現在の「仏壇」につながったといえるでしょう。
宗派によって多少、違いはありますが、「仏壇」の中に本尊の立像や絵図を置くとともに、先祖の位牌を一緒に入れるのはそのためです。
しかし、いまや住宅のスタイルや生活様式は大きく変化し、そもそも仏壇を置く仏間のある家はどんどん減っています。
先祖から受け継がれてきた仏壇を維持することが難しくなっているケースも少なくないでしょう。
その結果、仏壇にこだわらず、位牌だけを身近に置いて亡くなった人を偲ぶ人も増えています。
現在の日本では、何らかの信仰・信心を持っていたり、信じているという人は国民全体の2割から3割といわれます。
こうしたことを考えると、これからは「仏壇」の形ではなく、その役割や機能をどう受け継いでいくかが重要なのではないでしょうか。
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