ファンシーカラーダイヤモンド入門(2) 様々な色のファンシーカラーダイヤモンド
ダイヤモンドというと無色透明のイメージがありますが、実は「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれる色とりどりのダイヤモンドがあります。どのような色があるのか、いくつか見てみましょう。
「ファンシーカラーダイヤモンド」として最も多いのは、前回触れたGIAのカラースケールで「Z」を超える色の濃いイエローやブラウンです。ほかにも驚くほどいろいろな色があり、中には極めて高額で取引されるケースもあります。
最も希少でカラット単位での価値が高いとされるのがレッド、グリーン、パープル、オレンジ色で、ピンクとブルーがそれに続きます。
ブラック、グレー、そしてファンシーホワイトも、ファンシーカラーダイヤモンドとみなされています。
レッド
https://kinkaimasu.jp/diamond/column/moussaieff_red/
レッドダイヤモンドはファンシーカラーダイヤモンドの中でも最も産出量が少なく、一番希少性が高いとされます。
そのため、有名オークションでは数十億円の価格がつくことも珍しくありません。
画像は、レッドダイヤモンドとしては最大級のサイズである5.11カラットの「ムサイエフ・レッドダイヤモンド(Moussaieff Red Diamond)」です。
20年以上前にオークションに出品され、2000万ドル(約22億円)で落札されました。
ブルー
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-19/O7EDQP6TTDSO01
ブルーダイヤモンドも、レッドダイヤモンドと同じくらい希少性が高いとされます。
特に、濃い青色で内部まで透き通る高い透明度を持っているものは、ほとんど存在しません。
画像は14.62カラットの「オッペンハイマー ブルー」と呼ばれるファンシーカラーダイヤモンドです。2016年5月、5683万7000スイスフラン(約63億4000万円)で落札されました。
オレンジ
https://www.christies.com/lot/lot-the-orange-the-largest-fancy-vivid-orange-5738877/?
ダイヤモンドのオレンジ色は、イエローやブラウンとともに発色することが多く、オレンジ単独は非常に珍しいとされます。
画像は「ザ・オレンジ(The Orange)」と呼ばれる、14.82ctのペアシェイプにカットされたダイヤモンドです。GIAの鑑定では「ファンシー・ビビッド・オレンジ」と評価され、2013年11月の競売では3554万ドル(約39億円)で落札されました。
ピンク
‘Pink Star’ Diamond: the World’s Most Expensive Gem (geologyin.com)
ピンクダイヤは、レッドやブルーよりは多く見つかるものの、生産量はダイヤ全体の0.1%ほどで、やはり希少性があります。
画像は、1999年に南アフリカのデビアス鉱山で採掘され(裸石は132.50カラット)、その後、約20ヵ月間をかけてカッティングされた59.60カラットの「ピンクスター」と呼ばれるピンクダイヤモンドです。
2013年11月、オークションにおいて8318万ドル(約83億円)で落札され、全ての宝石の中で史上最高額を記録しました。
イエロー
https://www.christies.com/lot/lot-a-magnificent-colored-diamond-ring-5936169/?
冒頭でも簡単に触れましたが、GIAのカラースケールではDが無色で最高のカラーレス(Colorless、無色)とされ、KからZまでは次第に黄色味が濃くなり、ダイヤモンドとしての価値も低くなります。
しかし、グレードがZを超えるとファンシー・カラーと評価され、今度は希少価値が上がることがあります。
画像は、75.56カラットのイエローダイヤモンドで、2015年10月のオークションで360万ドル(約4億円)で落札されました。GIAの鑑定では、「ファンシーヴィヴィッドイエロー」の「VS2」と評価されています。
ブラック
https://www.gia.edu/JP/fancy-color-diamond-description
ブラック・ダイヤモンドは多くの場合、硫化物や黒鉛などによるインクルージョンがダイヤモンド全体に行きわたることによって生まれます。
ブラックダイヤモンドの代表といえるのが、67.50カラットの「Black Orloff(ブラックオルロフ)」と名付けられたダイヤモンドです。19世紀にインドで発掘された原石(195カラット)からカットされ、その後、ロシアの王妃などが所有した伝説のダイヤモンドのひとつです。
ファンシーホワイト
https://www.gia.edu/JP/fancy-color-diamond-description
ファンシーホワイトダイヤモンドは、乳白色がかったダイヤモンドです。
無色透明のダイヤモンドとは違って輝きが強いわけではありませんが、ファンシーカラーダイヤモンドのコレクターであれば必ず入手する色のひとつです。
特に、GIAによってホワイトダイヤモンドと鑑定されるものは数が極めて少ないとされます。
ご遺骨、遺灰からつくるメモリアルダイヤモンドについて
くわしくはライフジェムジャパンのホームページをぜひ、ご覧ください。