ファンシーカラーダイヤモンド入門(3) ファンシーカラーダイヤモンドの色はどのように生まれるのか?
様々な色があるファンシーカラーダイヤモンド。それぞれの色はどのようにして生れるのでしょうか。
これまでの研究で分かってきたこと、まだまだ分からないこと、両方があるようです。
よく知られるように、ダイヤモンドは炭素のみからできていて、しかも炭素(C)の元素が持つ4つの電子が全て結合に使われている立体的な結晶です。
これに対し、同じ炭素のみからできている黒鉛(グラファイト)は、4つの電子のうち3つが結合に使われている平面的な結晶です。
この結晶構造の違いが、強度や透明性などの違いになっています。
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本来、ダイヤモンドは無色透明なのですが、結晶の中に他の元素が微量に含まれたり、あるいは結晶の構造がわずかに歪んだりすることで、色がつくと考えられています。
色ごとの発色の理由をまとめてみました。
イエロー
ダイヤモンドで最も多い色がイエローです。ダイヤモンドが黄色くなるのは、炭素原子の結晶の中に不純物として微量の窒素(N)が含まれることが原因です。
窒素は“波長の短い” 光を吸収する性質があり、“波長の短い”紫や青が吸収される結果、全体に黄色がかって見えるのです。
オレンジ
ダイヤモンドがオレンジ色になる原因は、はっきり分かっていないようです。
ただ、ほとんどのオレンジダイヤモンドはとされます。
窒素原子を含むⅠ型(窒素を含まないのがⅡ型)のダイヤモンドはさらに、窒素原子が特定の個所に集まっているⅠa型、窒素原子がそれぞれ単独で結晶内にばらばらに分布しているのがⅠb型に分けられます。
オレンジダイヤモンドの多くは窒素原子が単独で結晶内に分布しているⅠb型であるため結晶構造に広く歪みが生じ、青色のほか、わずかに黄色を吸収するので、オレンジ色になるのではという説があります。
レッド
極めて希少なレッドダイヤモンド。なぜ赤くなる原因については、はっきりとは分かっていません。
ダイヤモンドが地中の奥深くで何万年という時間をかけてつくられる間に、高熱と高温で炭素の結晶格子が歪んだためであるのは確かなようです。
レッドダイヤモンドは周囲の光の状態によって色の度合いが変わるといわれていますが、結晶の歪みの影響なのかもしれません。
ピンク
ピンクダイヤモンドも、発色の理由はよく分かっていないようです。
ただ、専門家によると、1個の窒素(N)原子の隣に炭素(C)原子の欠陥が生じる場合と、炭素原子配列にわずかな歪みが生じた場合、ピンクに発色するともいわれます。
ブルー
ブルーダイヤモンドの発色の理由は、結晶の中に不純物としてホウ素が含まれるからです。
ホウ素は黄色からオレンジ、赤といった“波長の長い”光を吸収します。
そのため、ダイヤモンド全体が青から灰色がかって見えるのです。
グリーン
グリーンダイヤモンドの緑色は、地中深く、高温高圧の状態で長い年月をかけてダイヤモンドの結晶が成長するとき、周囲にウランなどの放射性岩石があって、その放射線(自然放射線)を浴び続ける結果、生まれるといわれます。
グリーンダイヤモンドは蛍光性で、ブラックライトを当てると色合いが変わります。
ブラック
自然のブラック・ダイヤモンドは通常、硫化物や黒鉛またはその他の無機質インクルージョンによるものです。
まれに水素系の物質が雲状になり、ダイヤモンド全体に行き渡ることで黒色になることもあります。
ご遺骨、遺灰からつくるメモリアルダイヤモンドについて
くわしくはライフジェムジャパンのホームページをぜひ、ご覧ください。