「戒名」(かいみょう)とはどういうもの?
葬儀にあたって、故人に生前とは別の名をつけることが行われます。
よく目にするのが仏式の「戒名」ですが、「戒名」とはそもそもどういうものなのでしょうか。
「戒名」とは本来、仏門に入り「戒律」を守ることを誓って出家した修行者に与えられる名前です。そのため本来は、亡くなった後ではなく、生前に、しかも出家する際につけるものでした。
戒名は、仏教が中国に伝わってからできたといわれます。
日本でも6世紀に中国から仏教が伝えられた際に戒名が取り入れら、当初は出家した修行者にのみ授けられていたれました。
日本ではその後、平安時代末から鎌倉時代にかけて新しい仏教の宗派がいくつも興りました。
こうした新しい宗派では「戒律」の解釈が次第に緩やかになり、出家しない在家でも、仏門に帰依すれば戒名を受けることができるようになっていったようです。
また、死後に成仏するという死生観が広がり、亡くなった人に戒名を授けて死後の安寧を祈る風習が生まれていったとされます。
さらに、江戸時代になると、全ての人がいずれかの寺院に登録しなければならない寺請制度(寺檀制度)ができました。
この制度では、檀家の誰かが亡くなると、菩提寺の僧侶がそれを確認し、役所に届けることになっており、仏式の葬儀が社会全体に広まりました。
そして、僧侶が亡くなった人の枕元で枕経(納棺の前にあげる経)を読みあげ、戒名を授けることが定着したのです。
なお、最近では枕経を省略するケースもあり、その場合にはお通夜の読経のあとに戒名を授かります。
いずれにしろ、現在でも「戒名」を授かることは、亡くなった人を弔い、極楽浄土へ見送るための儀式のひとつとして、重要な意味を持っています。
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