宗派によって「戒名」はどう違う?(1)
葬儀にあたって、故人に生前とは別の名をつけることが行われます。
よく目にするのが仏式「戒名」ですが、「戒名」は宗派によっていろいろな違いがあります。
そもそも、亡くなった人に授ける名前を「戒名」と呼ぶのは、天台宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、浄土宗などの宗派です。
これに対し、浄土真宗は「法名」、日蓮宗は「法号」と呼びます。
さらに、「戒名」を用いる宗派の中でも、それぞれに特徴や違いがあります。今回はその中から、天台宗、真言宗、浄土宗についてとりあげてみます。
天台宗は平安時代初期に伝教大師(最澄)が開いた宗派で、比叡山延暦寺が総本山です。
日本仏教の礎ともいわれており、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)など多くの名僧を輩出しています。
天台宗の戒名(全体)は基本的に「院号」「道号」「戒名」「位号」の組み合わせですが、場合によってはその上に大日如来を表す梵字(ア)や阿弥陀如来を示す梵字(キリーク)を付けることもあります。
真言宗は平安時代初期に弘法大師(空海)が開いた宗派で、京都の教王護国寺(東寺)や高野山金剛峰寺が有名です。
真言宗の戒名(全体)では、「院号」「道号」「戒名」「位号」の組み合わせの上に大日如来を表す梵字(ア)を付けます。子どもの場合は地蔵菩薩を表す梵字(カ)を付けます。
浄土宗は平安末期に法然が開いた宗派で、念仏を唱えることで極楽浄土へ往生できるとする当時としては非常に新しい考えを広めました。
浄土宗の戒名の特徴は、「道号」の2文字目に「誉」の字が入ることです。そのため、浄土宗では「道号」を「誉号」ともいいます。
これは、念仏者を誉める5つの称号(好人、妙好人、上々人、奇有人、最勝人)を法然が「五種の嘉誉」としたことにちなむとされます。
こうした特徴を知っておくと、戒名から亡くなった人が帰依していた宗派を推測することもできます。
次回は、浄土真宗と日蓮宗の戒名についてとりあげます。
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