イギリス王室の至宝「カリナン」ダイヤモンド
2022年9月に96歳で亡くなられたエリザベス女王にまつわる話題をご紹介してきていますが、今回はイギリス王室の至宝と呼ばれる「カリナン」ダイヤモンドについてです。
そもそも「カリナン(Cullinan)」とは人の名前です。
1905年、イギリスの植民地であった南アフリカのトランスヴァール地方で3106カラット(約621グラム)もあるダイヤモンドの原石が発見されました。
この原石を採掘した鉱山会社の会長であるトーマス・カリナンにちなんで「カリナン」と名付けられたのです。
「カリナン」原石は、ダイヤモンドの原石としていまで世界最大とされます。ちなみに2番目に大きい原石は、2019年にボツワナで発見された1758カラット(約351g)の「スウェロ」原石で、ルイ・ヴィトンが所有しているそうです。
「カリナン」原石は英国国王のエドワード7世に献上されたのですが、あまりに大きくてどのようにカットすればいいのか当時の技術では分からなかったといいます。
その後、3年以上の歳月をかけて大粒のカットダイヤモンドが9個、そのほか100個ほどの小粒なカットダイヤモンドが生み出されたのです。
大粒のカットダイヤモンドは、大きさの順に「カリナン1」「カリナンⅡ」から「カリナンⅨ」まで通し番号を付けて呼ばれています。
※カリナンⅠ~Ⅸのガラスのレプリカ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%8A%E3%83%B3
一番大きい「カリナンⅠ」は530.20 カラット(約106g)もある梨型のダイヤモンドで、「偉大なアフリカの星 (The Great Star of Africa)」とも呼ばれ、イギリス王室の王笏 (Royal Scepter)にはめ込まれています。現在もイギリス王室が所有しており、ロンドン塔で永久展示されています。
※王笏にはめ込まれたカリナンⅠ
https://www.gettyimages.dk/photos/cullinan-diamond
二番目に大きい「カリナンⅡ」は317.40カラット(約63g)あるスクエア型のダイヤモンドで、大英帝国王冠(Imperial State Crown of Great Britain)に付けられています。写真でみると、ルビーの下にあるのが「カリナンⅡ」です。
この王冠は全体で3ポンド(約1.4kg)もの重さがあり、エリザベス女王が生前、「下を向くと首が折れそう」と冗談を言っていたのもうなづけます。
https://www.rct.uk/collection/31701/the-imperial-state-crown
その他の「カリナン」もそれぞれ、他の王冠やブローチ、ネックレスなどに用いられています。
「カリナン」ダイヤモンドはまさに大英帝国の繁栄の象徴であり、イギリス王室の至宝といってよいでしょう。
ご遺骨、遺灰からつくるメモリアルダイヤモンドについて
くわしくはライフジェムジャパンのホームページをぜひ、ご覧ください。