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天然ダイヤモンドが私たちに届くまで(1)― 地球の構造 ―

2023年3月22日

地球上で発見される天然ダイヤモンドの多くは数十億年の昔、地球の深部で長い時間をかけて生まれました。そこからさらに地表にいる私たちのところに届くまでにはいくつもの過程がありました。天然ダイヤモンドが私たちに届くまでの長い旅路についてこれから見ていきます。

まずは前提として知っておきたい地球の構造についてです。

 

天然ダイヤモンドが生れたのは地球の奥深くです。

地球は水星、金星、火星と同じく岩石惑星に分類され、岩石や金属でできています。

その半径は6378kmもありますが、人類がこれまでに掘ることができたのは12kmほどまでです。

そこからさに奥がどうなっているかは直接見ることができません。

そこで地震波の伝わり方を遠く離れた地点で観測・分析することで、地球の内部の物質の密度や固体か液体かなど地球の内部構造が徐々に解明されてきました。

 

地球の場合、その内部は均一な状態ではなく、地表から中心までいくつかの層に分かれています。大きくは「地殻」「マントル」「核(コア)」の3つです。

 

図表 地球内部の構造(イメージ)

https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

 

  • 地殻とは?

「地殻」は地球の固体部分で最も外側にある表層部です。大気や海洋は地殻の上にあります。

「地殻」を構成するのは花崗岩、安山岩、玄武岩などの岩石です。

地殻の厚さは場所によって異なり、大陸の地殻は30kmから40kmくらい、海洋の地殻はほぼ均一で6kmくらいと薄くなっています。

 

  • マントルとは?

「マントル」とは「地殻」と「核(コア)」の間にある層です。

「地殻」の下はドロドロに溶けたマグマがあるようなイメージを持つ人もいるでしょうが、実際は分厚い岩石の層が約2900 kmの深さまで続いています。

その体積は地球全体の8割を占めるほどです。

 

「マントル」を構成するのはカンラン岩で、地殻をつくる岩石とは別です。

カンランに含まれる主な鉱物はカンランと輝石(きせき)です。

カンランはケイ素(Si)と酸素からなるSiO2にマグネシウムや鉄が結びついたものです。見た目は緑色をしており、カンランの結晶はペリドットという宝石でもあります。

図表 カンランの結晶(ペリドット)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%9F%B3

 

  • 核(コア)とは?

「核」は地球の一番奥にある層で、主に金属の鉄からできています。

核はさらに鉄が液状になっている「外核」と固体状態の「内核」に分けられます。

 

 

  • マントルでダイヤモンドが生れた

地球は「地殻」「マントル」「核(コア)」の3つの層に大別されますが、ダイヤモンドが生れたのはこのうちの「マントル」です。

「マントル」を構成するカンラン岩は固体ですが、「核(コア)」の熱で温められて上昇したり、「地殻」の地殻まで来ると冷えて下降したりする動きをしていると考えられています。その速度は1年に数センチというわずかなものですが、何千万年という単位で見れば対流運動(マントル対流)をしているのです。

マントルで生まれたダイヤモンドが地表にまで運ばれて私たちの目に触れるようになったのも、このマントル対流が関係しています。

図表 マントル対流のイメージ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AB%E5%AF%BE%E6%B5%81%E8%AA%AC

 

 

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