増え続ける無縁墓
日本全国には現在、約87万区域の墓地が存在し、そのうち地方公共団体が経営する公営墓地が約3万区画(3.5%)あります。区画数は少ないものの公営墓地は規模が大きく、少なくともお墓全体の3~4割は公営墓地にあるのではないでしょうか。その公営墓地でいま「無縁墓」が問題になっていることが分かりました。
総務省行政評価局が2023年9月に公表した「墓地行政に関する調査-公営墓地における無縁墳墓を中心として-」によると、公営墓地を運営する市町村の58%で管理する親族らがいなくなった「無縁墓」を抱えているといいます。
無縁墓は墓地の荒廃や不法投棄の温床になったり、市町村が樹木の伐採や墓石の倒壊防止のために手間や費用がかかったりします。
図表 無縁墓の荒廃例
※https://www.soumu.go.jp/main_content/000901290.pdf
もともと墓地や納骨堂の管理者は、法律の規定に基づいて使用者の住所・氏名を記載した帳簿を備え付けなければならないことになっています。
また、使用者が所在不明となった場合、墓地・納骨堂の管理者は戸籍謄本などによって縁故者を探し、承継するかどうかの意向を確認することになります。そのためには、次の代の承継候補となりえる子や孫などの縁故者情報を早めに把握しておくことが重要です。
ところが、多くの市町村では墓に葬られた人の縁故者の情報を十分に把握しておらず、今後ますます増えるおそれがあります。
無縁墓に埋葬された遺骨を合祀墓などに移すとしても、残った墓石をどのように扱うかが現状では不明確で、墓石を処分するのか保管するのか、一時保管するとして保管期間をどうするのか対応に苦慮している自治体が少なくありません。
専門家による墓数の推計モデルによると、世代を経るごとに新しい墓が一定数つくられるので全体の墓数は増えますが、その一方で承継されない墓(無縁墓)が急速に増えていく可能性が示唆されています。
これまでの墓や墓地のあり方は大きな曲がり角を迎えていることは確かです。
図表 墓数の推計イメージ
※https://www.hws-kyokai.or.jp/images/ronbun/all/202002-05.pdf
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