変わりつつあるお墓の意識と実態(5) 菩提寺との関係
昨今、お墓をめぐる日本人の意識と実態が変化し始めています。今回は葬儀や法要において中心的な役割を果たしている菩提寺との関係をみていきます。
前回に引き続き、公益財団法人全日本仏教界と大和証券が行っている「仏教に関する実態把握調査(2022年度)」から、菩提寺(ぼだいじ)との関係をみてみます。
https://www.jbf.ne.jp/wp-content/uploads/site211/files/pdf/bukkyoureport2022.pdf
菩提寺とは、葬儀や法事を執り行う寺院のことで先祖代々のお墓があり冥福を祈ってもらっている人も少なくありません。
菩提寺との関りはこれまで主に、家を代表して長男がおこなうことが一般的でした。
実際、菩提寺との関係について「自分が中心となって関わっている」という割合は、男性の60代、70代が5割を超えて断然、高くなっています。
それに対し、男性でも50代以下や女性はいずれも3割以下と少なくなっています。
なお、菩提寺への満足度については全体の平均は42.6%あり、不満度はどの年代、地域に関係なく全体的に低いのがみてとれます。
さらに、菩提寺への満足度が高い層では「「20~30年後も菩提寺が存続している」という回答が7割を超えています。
一方、不安を感じるデータもあります。
現在、菩提寺がない層では、将来「菩提を持つことを考えている」という人は3.2%にとどまります。また、都心・地方とも年代が高くなるほど「菩提寺を持つことを考えていない」という割合が高まります。
菩提寺との関係がないと、年齢が高まるほど関心が薄れていくようです。
ちなみに、菩提寺との重要な接点である住職との会話の機会は、「葬儀・法要」が中心でそれ以外の比率は低くなっています。
また、菩提寺からの情報提供は「特にない」という答えが多く、菩提寺との関係が薄れていることがうかがえます。
これからの時代、菩提寺に限らず寺院が私たちの暮らしとどのように関わっていくのか、特に葬儀や法要、その後のお墓の維持管理なども含めて変化が求められていくのではないでしょうか。
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